ムーミンマグ マニア 2026年9月26日~2028年1月5日

ムーミン美術館に新たにオープンした企画展「ムーミンマグ マニア」は、単なる日常使いの食器であったマグカップが、文化現象「ムーミンマグ」として扱われるようになった経緯を紹介しています。いまや文化的象徴であり、多大な人気を誇るコレクターズアイテムであるムーミンマグ、その意味合いやそこに根付く価値観などを掘り下げていきます。ムーミンマグは、日々の暮らしや祝い事の場など、人々の生活とともにあり、その人気の背景にはムーミンたちの人生観があり、フィンランド国外ではフィンランドらしさを象徴するものとなっています。

ムーミンマグ マニア展には、ムーミンアラビアにて今まで生産されたすべての3dlサイズのマグとともに、大小異なるサイズのマグが展示されています。マグのデザインは、トーベ・ヤンソン(1914–2001)が描いたムーミン本の挿絵や表紙絵、ムーミン・コミックスの絵柄が基になっています。それらの原画の多くは、ムーミン美術館が所蔵するムーミン谷コレクションに含まれ、本展覧会でも展示されているのでマグとともにご鑑賞ください。

見どころのひとつは、トーベ・ヤンソン自身がデザインし1950年代に販売された初代ムーミンマグ。また、1990年に生産が始まった定番のムーミンアラビアのムーミンマグや、限定数のみ販売され現在コレクターズアイテムとして希少価値の高いマグ、また日本で生産された一味違ったテイストのムーミンマグも展示されています。

ムーミンマグは、フィンランドの家庭ではおなじみの食器で、フィンランド人にとっては個人的な意味合いや思い出、また郷愁を誘うものとなっています。そんなムーミンマグの収集には、単なるマグカップ収集という趣味に留まらず、コレクター間の交流、自宅の展示ケースに飾りコレクター仲間と鑑賞、といった社会的な側面があります。ムーミンマグを、ムーミンたちの生き方や人道的価値観への共感を示す手段として用いることも可能でしょう。そんなコレクターたちの思いや経験談をも紹介しています。

アラビアが提供する食器にムーミンが初めて登場したのは、第一次ムーミンブームが巻き起こった1950年代のことでした。当時のムーミン食器セットをデザインしたのは、トーベ・ヤンソン本人。そしてトーベ・ヤンソンは弟のラルス・ヤンソンとともに、ムーミンキャラクターの著作権管理を担う会社「ムーミンキャラクターズ社」を設立したのです。

ムーミンコレクションは発売当初から好評を博し、1990年代にはその人気に拍車がかかりました。そのきっかけとなったのが、フィンランド‐オランダ、日本の制作会社が共同制作し、多くの国々でTV放映されたアニメシリーズ『楽しいムーミン一家』だったのです。そして、アラビア社は今に続くムーミンマグシリーズの発売を決めたのです。このアニメシリーズは、ムーミンマグを国際的展開へと導く原動力となりました。

1990年代から現在に続くムーミンマグは、カイ・フランクがデザインしたアラビアの「ティーマ」マグが基になっています。本企画展では、ムーミンマグの製造過程や、デザイン担当のイラストレーター、そしてマグカップの底にあるバックスタンプの変遷も紹介しています。

ムーミンマグは、フィンランドデザインを代表するものとなり、その人気はフィンランド国内に留まりません。最もフィンランドらしさを象徴するアイテムのひとつ、といえるでしょう。

本企画展は、ムーミンアラビア、ムーミンキャラクターズ社、そしてコレクターであり作家のヨニ・ピューサロ氏(Joni Pyysalo)のご協力を以って実現しました。

Sanni Siira.
Keräilijä Joni Pyysalo