ムーミンやしきへようこそ!
2025年6月7日–2026年8月16日
ムーミンやしきは、ムーミンの物語の重要なテーマである安心感、一体感、庇護の精神を象徴しています。この新企画展では、そんなムーミンやしきを紹介しています。やしき内のサロンを再現したコーナーでやしきの雰囲気を感じ取ってください。また、立体作品「ムーミン屋敷」(1979) の隠された部分をも紹介しています。ムーミン屋敷にはサウナがあることをご存じですか?高さ約3mのこの立体作品を見ると、遊び心を持って一緒にものを作る楽しさがお分かりいただけるでしょう。
この企画展の見どころはムーミンやしきの隠された秘密を公開しているところ。トーベ・ヤンソンのオリジナル挿絵を基に作られた冒頭のアニメーションでは、大冒険ののち、青くて丸く、とんがり屋根の家を見つけたムーミン一家が、その家に住み着くお話を紹介しています。トーベ・ヤンソン 、トゥーリッキ・ピエティラ、ペンティ・エイストラが共同制作したムーミン屋敷のサロンを基に、その壁紙、カーテン、家具を再現したサロンが設けられています。サロンには、ムーミンやしきの日常生活、住人やお客さんが描かれた挿絵原画が展示されています。
ムーミンやしきの住人は、ムーミントロール、ムーミンママ、ムーミンパパ、加えてやしきには数々のお客さんたちがやってきます。中には長居をするお客さんもいますが、いつでも暖かく心から出迎えくれるのです。
ムーミン屋敷は細部まで精巧に作り込まれ、隠された財宝やサウナなどの秘密にあふれています。この企画展では秘密の部分や制作過程をも紹介しています。ドキュメントフィルム、スケッチ画、各種材料、数々の細かなアイテムや素材を見ると、三年を費やしたムーミン屋敷プロジェクトがいかに壮大なものであったかが分かります。ヤンソンとピエティラは、パリの蚤の市やストックホルムの小売店など、世界中を旅した際にミニチュアサイズの皿、ランプ、フォーク、本、天然石、絨毯やカーテンなどを持ち帰っています。また友人や親族も旅先からムーミン屋敷用の小間物を持ち帰るよう依頼されていました。ムーミン屋敷は、楽しい夕べの集いを重ねるうちに徐々に形作られて行きました。その集いにはヤンソンの母ハムや数々の友人たちも参加し、制作に関わった人数は数十人にもおよびます。日常生活のバランスを保つための気楽な集い、ものづくりの楽しさからムーミン屋敷は生まれました。 この立体作品は、遊ぶ楽しさが子どものみならず大人にとっても大切であったことを物語っています。