光のギャラリー 2025: トーベ・ヤンソンの第一作ムーミン小説が光のアートとして登場

Havainnekuva katunäkymästä, jossa talon seinälle on heijastettu muumikuvitus.

2025年の光のギャラリー アーティストとして、「Moomin 80」を記念しタンペレ美術館コレクションの所蔵作家であるトーベ・ヤンソンが選ばれました。「Muumien matka kotiin(ムーミンたちの家路)」と名付けられた光のギャラリーは、タンペレ中心部にある建物のファサード(外壁)に投影された光のアート インスタレーションです。投影作品は、1945年に出版されたムーミン小説第一作『小さなトロールと大きな洪水』の挿絵15点です。光のギャラリーは、2025年10月24日にオープンしたタンペレ ライト フェスティバルの一環として開催されています。

『小さなトロールと大きな洪水』は、ムーミンパパを探す旅に出たムーミンママとムーミントロールのお話です。道中で出会ったスニフとチューリッパとともに大ヘビ、海のトロール、コウノトリなどの不思議ないきものたちと出くわします。読者はムーミンたちと一緒に深いジャングルやお菓子でできた風景の中をさまよい、荒れ狂う海や大洪水を乗り越えていきます。そして一行はムーミン谷へとやってきました。そこにはタイルばりのストーブそっくりの青い家がありました。ムーミンやしきこそがこの物語の核心であり、そこではだれもが安心して一緒に過ごせるのです。

トーベ・ヤンソンがこの物語を執筆したのは冬戦争時(1939年11月30日 – 1940年3月13日)、戦争への恐れから絵画制作意欲が失われてしまったときのこと。物語に登場するのは、以前風刺画用に描いたトロール風キャラクターです。この物語が完成したのは1945年のことでした。このときのムーミンの鼻はのちのムーミンよりずっと細長く、挿絵は白黒のペン画とインクウォッシュ画で、表紙画は深い緑のグラデーションを多用したカラーで描かれていました。この本は戦争終結後まもなくスウェーデン語で出版されましたが、フィンランド語や日本語など他言語への翻訳版が出版されたのは1991年になってからでした。何点かの例外を除き、挿絵の原画はタンペレ美術館コレクションに含まれています。これらの原画の一部は現在ムーミン美術館の常設展と企画展「ムーミンやしきへようこそ!」にて展示中です。

光のギャラリーの展示場所は上画像(英語)をご覧ください。

光のギャラリーはタンペレ美術館とタンペレ ライト フェスティバル(2015年よりタンペレ市が提供する文化イベントとして開催)の共同制作により実現しました。

光のギャラリー「Muumien matka kotiin(ムーミンたちの家路)」2025年10月24日~2026年3月8日の日没後に開催中です。